明確に『死』が分かってしまったらあなたはどうする? ~かんがえよう~
どうも、じーこです
伊坂幸太郎さんの『終末のフール』を読みました。
本屋に行ったからとかでも何でもなく、
友人からせっかくもらったし、もったいないからと思って読み始めたのがきっかけです。
お恥ずかしいことにそれまで伊坂幸太郎さんの事を知りませんでした、
ってレベルで小説よんだことありませんでした。
そんな僕の感想
『気づいたら読み終わってた』
「アッー!お客様困ります!! 明日一限がありますからアッーー!!」 と思いつつもページをめくってしまう。
(本当に夜中過ぎまで読み続けちゃって翌日一限事故ったのはまた別のおはなし)
中毒性をちょっと感じました(アへ顔)
ではさっそくレビューしていきましょう。
目次
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『終末のフール』あらすじ
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構成
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感想
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まとめ
- あらすじ
八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎたころ。
当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地『ヒルズタウン』の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間のなかで人生を見つめ直す。家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは?
今日を生きることの意味を知る物語。(集英社文庫より)
2. 構成
この本は大きく分けて8つ、
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終末のフール
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太陽のシール
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籠城のビール
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冬眠のガール
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鋼鉄のウール
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天体のヨール
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演劇のオール
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深海のポール
韻を踏んで語尾をすべて『ル』で終わらせているのが印象的ですね。
それぞれのタイトルの意味は読んだ後に見返すとなるほどと思えます。
この8つは全部、それぞれ違う人の視点から見た形で展開されていきますが
『ヒルズタウン』、仙台北部を中心としていることに変わりはないので全くの別物ということではありません、なんなら共通点だらけ。
読み進めていけばいくほど「あぁ」と頭の中で繋がっていくのですごく読みやすい。
(ひとつひとつのあらすじを書いていくとネタバレになってしまうので、今回はなしで行きたいと思います)
3. 感想
一見SFチックな設定なのに、なんだこの妙な現実感は。
<『死』が八年後には地球上全ての人に等しく訪れる>
そう明確に決まってしまっているのがすごくミソ。「人がいつか死ぬ」ことに対して抵抗はないのに、
いざ自分がもうすぐ死ぬとなると途端に受け入れることができなくなる。
人間が培った『理性・知性』の脆さを感じつつ、しかもそこに細かい描写が入ってくることでよりいっそうリアルに感じることができて面白い。ドキドキする。
人間の「生」が、「死」を持ってきて初めて活き活きとするなんて、なんだか皮肉だなぁ。とも。
もし自分なら登場人物の誰とおんなじ行動を取るのかな? なんてことも考えたりしましたね。
4.まとめ
本全体を通して問われる『生きること』・『死ぬこと』
身体は生きている、でも死んでいる。
それなら最後まで生き続けて、肉体の終わりに本当に死ねる、そんな生き方どうやるの?
ちょっと哲学的になってしまいましたが、つまりはそれくらい考えることがやめられなくなってしまうような作品なんです。
(すみません、『哲盛』と表示されてしまいました、申し訳ありません ♯アツモリ)
個人的には、若いうちにこの本に出会えてよかった。
『死生観』それ自体はほんとうに間近に死が迫ってきて初めて気づくものだと思いますが、
当分は振り返ってみて後悔の残らないよう、毎日を過ごそうと思います。
悔いは残したくない!! よっし! それじゃ、さっそくトイレで三連戦だ!!
(……知性もがんばって鍛えていかなきゃ……。)
~終~