『僕たちはどう生きる?』~かんがえよう~
『君たちはどう生きるか』
いきなりですが、これは本の題名です。
その題名どおり
『僕たちがいったいどう生きてくべきか』を問いかけてくる内容。
「1934年に出版されてから80年以上たった今でもなお
多くの人に読まれている名著」
というのを全く知らずに←
友人から勧められて読み始めたこの本。
ほんとうは原作の小説版を読みたかったところですが、kindleストアにマンガ版しかなかったので今回は「マンガ版」のレビューをしていきます。
(帰国したら原作のレビューもまた別に書こうかな)
『時代が変わっても移り行くことのない人の本質について触れている』
これが一読して最初に思った感想です。
ちょっと自己啓発っぽいかな(?)とも感じました。
それではさっそくレビュッッッ(アへ顔)
- 概要
- 感想
- 僕たちはどう生きるか?
~概要~
1937年、東京の街。
人々の生活が大きく変わろうとしているこの時代に日々自分の中の疑問と向き合い人として成長しようとした一人の中学生、コぺル君とその叔父さんのお話。
コぺル君が学校で悩み、日常で疑問に思ったことに対して叔父さんがその都度「こうしたらどうだろうか?」と提案をしていく形で話は進行していきます。
(「おじさんのノート」はその提案をまとめたもの)
<目次(マンガ版)> <おじさんのノート>
1:へんな経験 -ものの見方について -
2:勇ましき友 前編
3:勇ましき友 後編 ‐真実の経験について-
4:ニュートンの林檎と粉ミルク -人間の結びつきについて-
5:貧しき友 -人間であるからには-
6:ナポレオンと4人の少年 -偉大な人間とはどんな人か-
7:雪の日の出来事 前編
8:雪の日の出来事 後編
9:石段の思い出 -人間の悩みと、過ちと、偉大さについて-
10:凱旋
11:春の朝
~感想~
『僕たちはもう80年以上も前から似たような議論を繰り返していたのか……』
個人的には目次右手の『おじさんのノート』に書いてある部分を読むだけでも十分にあり。
ただマンガ版で読むのに時間はあまりかからないので、しっかり全部読み通した方が当たり前ですが、理解はしやすい。
日常の出来事のなかで疑問を見出しては考えていくスタンスなので
出てくる話題もすんなりと頭のなかに入ってくる。
~僕たちはどう生きる~
80年以上も前に出版されたこの本でもやはり言われているのは
『自分らしく生きるためには?』ということ。
今でこそそうですが、
「世間体を気にして自分を押し殺す・嫌だなと思っていてもそれを隠して耐え抜く」
後者に関しては『忍耐は美徳』なんていう言葉あるくらいに根強く残っている。
(今は一部の、いわゆる革新派的イメージの人がそれを否定していますが、それは別に革新的でも何でもない、むしろこれこそ本来の人の在り方なのでは?)
でもちょっと待って。
どうして一度しかない人生で僕たちはそこまで我慢を強いられてるの?
もちろん、
だからといって他の人間すべてに迷惑をかけまくったりしていいわけではありません。
ただ、自分を無理に押し殺して目をつぶった生活は普通に考えておかしい。
ましてそれを行える環境に生活としているというならなおさら。
『大人になるっていうのはそういうことだよ?』
僕のバイト先の社員さんはそう言っていました。
でも、ほんとうにそうだろうか。
ぶつかって悩んで、考えに考えぬいて、それでも答えはでなくて、
それでも探究を続けることだけは絶対にやめちゃあいけない。
考えないで過ごすことが楽ということもあるけれど、だとしてもここだけは譲れない。
『そういうもの』って言葉は悪魔のささやきに近い。
それなら僕は、早稲田で、イタリアで、どう過ごす?
それなら、僕たちはどう生きる?